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2018年経済産業省と特許庁による一般有識者を交えた研究会「企業競争力とデザインを考える研究会」から発表された「デザイン経営宣言」により、日本のビジネス界においてもデザインが注目されています。
なぜ今デザインなのか
現在世界経済は、第4次産業革命を迎えていると言われています。これまでのハードウエア、エレクトロニクス全盛の時代から、ソフトウエア、ネットワークやサービス、ビックデータやAIの時代へと突入しています。
そんな世界経済では人々の価値観にも大きな変化がおこっており、モノからコトへ。消費の中心が移っています。
「モノ消費からコト消費へ」という言葉は標語のように連日、目にしているかと思いますが、モノ消費の時代は商品の質がビジネスの成功に影響を及ぼしていましたが、コト消費の世界では顧客体験の質がビジネスの成功に影響を与えると言われています。
この顧客体験の質を向上させる手法として、アップルやダイソン、国内では良品計画(無印良品)など多くの有力企業が、デザインを経営の中枢に置き、成功を収めています。この成功事例から、今デザインが経営に及ぼす影響に注目が集まっているのです。
デザインとは
日本では、これまでデザインとは「意匠」と訳され、装飾的なものという認識が強く、美大を卒業した一部のセンスの良い人間がおこなう行為として、特別なものとして、捉えられていました。
しかし、この装飾的な部分は、人々の中に潜在的にある、美的感性に訴えかけるデザインの持つ力の一部でしかないのです。
本来のデザインとは「人とモノ」「人とサービス」「人と人」など、人が介在する全ての行為を形づくることであり、デザインが得意なことは中心となる「人」の心を動かすことなのです。
新作のIPhoneの発売にワクワクし、IPad proにより、暮らしが変わると期待するのはアップルがデザインの力を使い人々の心を動かしているからなのです。
つまりデザインを中枢に据えて経営を行なっている結果なのです。
デザイン経営がもたらすモノ
そんなデザインが企業にもたらす主たる効果は「ブランド力の創出」と「イノベーションの創出」だと言われています。
①顧客と長期的に良好な関係を維持するためのブランド力の創出
デザインによって、それぞれの企業が持っている価値や、それを実現しようとする意志を明確に、分かりやすく顧客へ伝えることができます。
顧客は、デザインされた製品の購入やサービスの利用、宣伝・広告を通して、企業の持つ価値や実現しようという意志を、受け取ります。
顧客は、一貫したメッセージとして企業から価値や意志を受け続けることで、他の企業では代替できない企業として、ブランド価値が生まれます。
ブランド価値が生まれることで、顧客にはブランドに対する強いロイヤリティが生まれ、継続的に企業を支持してくれます。この顧客が企業を支える基礎となります。
②顧客視点を取り込んだイノベーションの創出
イノベーションは「技術革新」として訳され、研究開発によって生まれる新しい製品や技術として認識されています。しかし、本当の意味でのイノベーションとは、研究開発によって生まれた製品や技術ではなく、その製品や技術を、社会のニーズに照らし合わせ、顧客に新しい価値として提供することなのです。
絶えず企業がイノベーションを起こすことで企業は新しい市場や、ニーズを席巻し、多くの利益をもたらしてくれます。また革新的な企業として多くの顧客から支持を得ることができます。
まとめ
以上のようにデザイン思考で経営を行うことで企業は多くの顧客から継続的に支持を集め、効率的に収益を上げることができるようになるのです。
デザインとはセンスではなく、技術とも言われていて、人々の心を動かすための知恵の集積だとも言えます。多くのデザイン思考を学ぶことで美大を出ていなくてもデザイナーとなることもできます。
私もデザインについてさらに学び、より良いサイト作りに、活かしていきたいと思います。
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